意外と知らない履物の種類
着物を着る時、着物のことは色々調べたりしますよね。
どんな種類のものがあるのか。どんな時にどの着物を着ていけばいいのか。
ここで、見過ごされがちなのが履物です。
履物にも種類があるのです。ご存知でしたか?
着物と合わせる履物
まず、着物には草履か下駄を合わせます。
草履と下駄では、草履が格上の履物になります。
この感覚は、皆さん同じだと思います。
カジュアルな着物である、浴衣には下駄を合わせますものね。
草履にサイズってあるの?
草履は一般的なものがMサイズで22.5~24.0がこれにあたります。
この他S、L、LLがあり、全部で4サイズになります。
草履はサンダルのように、足にピッタリと合わせて履きません。
足の指で鼻緒をつまむ感じで、草履の先まで足を入れることはしないのです。
しっかり入れてしまうと、圧迫感があり、足の指の付根や、足の甲に鼻緒ずれをおしてしまいます。
この為、かかとは台から1~2cm出して履くかたちになります。
小指も台からはみ出してしまいますが、それで正解です。
草履の形は?
草履は細型と小判型の2種類に大きく分けられます。
細型はすっきりとした形で粋であると、以前は主流でしたが、最近は小判型も
幅が広く、安定感があると人気です。
履き心地や歩きやすさは、履く人の好みによるようです。
ちなみに、草履に左右の区別はありません。鼻緒の柄が左右で異なる場合以外は気にしなくても大丈夫です。
鼻緒に癖がついていれば、鼻緒を引っ張ることで形を整えられます。
鼻緒の種類で履きやすさは違う?
鼻緒の素材としては馬の毛や生地に漆を型染した印伝、高級ビロードの
本天などがあります。
本天はあたりがソフトなので、よく好まれます。
また、鼻緒には太めのものと、細めのものがあります。
太いものは、履き心地がよく、足も痛くなりにくいのでお勧めですが、
ものによっては野暮ったく見えることも。
細い鼻緒は、足が痛くなるかもしれませんが、足元はすっきり見えます。
鼻緒のデザインは?
実は鼻緒にもデザインはあります。
最もベーシックなタイプは丸と呼ばれるもので、一枚の素材で出来ています。
福林と呼ばれるものは、裏地が表地の両サイドまであるもの。
高原は足に当たる部分にのみ、裏地が使われています。
二石は細めの鼻緒を日本重ねて一本に見えるようにしたもの。
このように、上や横から見た印象が異なり、デザイン性の高いものもあります。
草履に高さの差はあるの?
ほとんどの草履はコルクの芯にして、表面を皮や合皮で作られています。
草履は踵が高く、台の多いほどフォーマルとされます。
礼装になると低い草履では着物とのバランスが悪くなるためです。
台というのは足を乗せる部分のことで、草履を横から見ると、横の筋があるものがあります。この一枚が台で、重ねて高さを出します。
段重ねというのは、台をいくつ重ねた草履であるかということです。
台の厚さといくつ重ねているかで草履の高さが変わるのです。
台と台の間にペラと呼ばれる薄いラインを入れたり、間の台の装飾を変えることで、より華やかな草履になります。
フォーマルに合わせる草履はどんなの?
踵の高いものを。5㎝を目安に着物とのバランスがとれていれば、それほど気にしなくても大丈夫です。
色は金、銀、白がお勧め。淡い色のものほどフォーマル感が高めです。
礼装の着物ほど華やかなので、草履は主張しすぎないものを選びます。
そのため、台や鼻緒の地色は落ち着いた淡い色合いのものが好まれます。
逆に、カジュアルな着物に合わせるなら、濃い色合いのもので個性を出すのも一興です。
草履に関しては必ず、これを合わせなければならない訳ではありません。
着物とのバランスを見て、不自然でなければ大丈夫です。
この他にも、夏用のパナマと呼ばれる涼しげなものや、畳表と呼ばれる草履もあります。
靴を見ればお洒落か分かる。とは、よく言われます。
着物でも、草履まで気を配り一段上のお洒落を楽しんでください。